運転手を殴って逃走 強盗致傷の容疑で逮捕

タクシーの運転手を殴って、料金を支払わずに逃走したとして、強盗致傷の容疑で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件(『タクシー運転手から道聞かれて激高 殴って逃走の57歳男、強盗致傷容疑で逮捕 東大阪』から引用)

逮捕された容疑者は、タクシーに乗車した際に、運転手から道を聞かれたことに激高し、運転手を殴りつけ、乗車料金1千円を支払わず逃走したようです。
運転手からの110番通報によって事件が発覚し、その後、容疑者が逮捕されたようですが、容疑者は酒に酔っていたのか「分からない。記憶がはっきりしない」と容疑を否認しているようです。
また殴られた運転手は顔を打撲するなどの傷害を負っているとの事です。

強盗致傷罪

人に対して暴行すれば「暴行罪」が、そして暴行によって怪我をさせれば「傷害罪」となりますが、暴行行為によって、財産上不法の利益を得ると「強盗罪(刑法第236条2項)」となり、その際に相手に怪我を負わせると「強盗致傷罪(刑法第240条)」となります。
今回の事件の場合、暴行(傷害)によってタクシー料金の支払を免れたということで、刑法でいうところの「財産上不法の利益を得た」ということができ、強盗致傷罪が成立すると考えて間違いないでしょう。
ちなみ、暴行や脅迫をともなわない、単なるタクシーの乗り逃げですと「詐欺罪(刑法第246条2項)」となります。

強盗致傷罪の罰則

強盗致傷罪の法定刑は「無期又は6年以上の懲役」です。
この法定刑は非常に厳しい内容で、起訴されて有罪が確定した場合、何らかの減軽事由がなければ執行猶予が付くこともなく刑務所に服役しなければなりません。
※執行猶予が付くのは3年以内の懲役刑が言い渡された場合に限る。

単なる暴行罪だと法定刑は「2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料」ですし、傷害罪の法定刑は「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。
また単なる強盗罪だと「5年以上の有期懲役」で、詐欺罪は「10年以下の懲役」です。
他の犯罪の法定刑と比べても「強盗致傷罪」の法定刑は、非常に厳しいことが分かります。

刑事事件に強い弁護士の見解

「●●罪で逮捕されました。」と新聞やネットニュースなどで報じられているのをよく目にしますが、これはあくまでも逮捕された事実と、逮捕罪名が報じられているに過ぎず、逮捕された人がこの罪名で有罪となったこととは、全く別の問題です。
実際に、実際に有罪が確定し刑事罰が科せられるのはまだまだ先の話で、実際にどういった罪で有罪になるのかや、そもそも刑事罰が科せられるのかは、その後の弁護活動次第となります。
実際に、警察に強盗致傷罪で逮捕された人が、被害者との示談によって不起訴になったり、勾留満期後に、傷害罪と、窃盗罪や詐欺罪で起訴されて執行猶予を得る場合もあるのです。

こういった重い罪で逮捕された場合でも、諦めずにまずは弁護士に相談し、できれば刑事事件に強い弁護士による弁護活動を受けるようにしてください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、刑事事件に関する法律相談を初回無料で、そして逮捕された方に弁護士を派遣する初回接見には即日対応しています。
無料法律相談初回接見サービスをご利用の方はフリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお問い合わせください。

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