被害女子高生が痴漢を追跡 府立高校講師が逮捕

被害にあった女子高生が追跡して、府立高校講師が逮捕された痴漢事件を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件の概要(6月3日配信の毎日新聞ニュースを参考にしています。)

大阪府黒山警察署は、大阪市内の駅にあるエスカレーターにおいて二人の女子高生に対して痴漢した容疑で、府立高校講師を逮捕したと発表しました。
この事件、逮捕されたのが府立高校の講師であるというのとは別に、被害にあった女子高生が、被害にあった翌日に、被害にあった駅で犯人を見かけて追跡したことが逮捕につながったとして話題になっています。
ちなみに逮捕された府立高校の講師は、警察の取調べに対して「手が当たった可能性はあるが、下半身を触ろうと思って触ったわけではない」と容疑を否認しているようです。

痴漢事件

このコラムで何度も紹介していますが、大阪府内の痴漢事件大阪府の迷惑防止条例違反(正確には「大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反」)となります。
大阪府の迷惑防止条例は、痴漢行為の他、盗撮や客引き、粗暴な言動や付きまとい行為等、人々の迷惑となるような行為を規制している大阪府の条例です。
この条例で「何人も、公共の場所又は公共の乗物において、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、衣服等の上から、又は直接人の身体に触れてはならない。(条例を要約)」と痴漢行為を規制しており、痴漢行為に対しては、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金の罰則が規定されています。

被害者が追跡して逮捕に

痴漢事件においては被害にあった直後に、被害者が犯人を捕まえたり、逃げた犯人を追いかけて捕まえるということはよくあることですが、今回の事件で特殊なのは、被害にあった翌日に被害者の女子高生が犯人を追跡していることです。
現行犯逮捕は、警察官等の司法警察員でなくても犯人を逮捕することができるので、被害にあった直後であれば、被害者が犯人を追跡してそのまま逮捕することが可能ですが、被害にあった翌日となれば現行性が失われているでしょうから、現行犯逮捕することはできません。
ということは、今回逮捕された府立高校の講師は通常逮捕、つまり裁判官の発した逮捕状をもとに逮捕されたと思われます。
警察官が裁判官に逮捕状を請求する場合、被害届や被害者の供述調書だけでなく、そういった犯罪被害を裏付ける客観的な証拠が疎明されているのが通常ですので、今回の事件についても、防犯カメラの映像等、何かしらの証拠がある可能性が高いでしょう。

痴漢事件で逮捕されると

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、これまで数多くの痴漢事件を扱ってきた実績がございます。
逮捕というのは捜査過程の手続きに過ぎず、今後の捜査、取調べによって処分が決定します。
警察に逮捕されてから、どういった弁護活動を行うかによって、今後どういった刑事処分が科せられるかが変わってきますので、痴漢事件で逮捕されてしまった場合は一刻も早く、弁護士を選任することをお勧めします。

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