走行中の電車を撮影する人たち、いわゆる「撮り鉄」の一部による迷惑行為によって、電車が運転を一時見合わせるなど、電車の運行にまで影響が出ることがあるようです。
先日も、東北地方を走行中の電車の運転士が線路内に立ち入っている撮り鉄を発見し、遅延や運休など電車の運行に影響が出たことが報じられました。

こういった撮り鉄の迷惑行為が刑事責任に問われることはあるのでしょうか?
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
線路内に立ち入ると
線路内に立ち入る行為は鉄道営業法違反となるでしょう。
鉄道営業法第37条では、停車場そのほか鉄道地内にみだりに立ち入る行為を禁止しているからです。
ただ罰則規定に非常に軽いもので「科料」です。
鉄道営業法違反で逮捕は難しい
先述したように線路内に立ち入ったとして鉄行営業法違反で有罪となったとしても科せられる刑事罰は「科料」です。
このような軽微な犯罪については、定まった住居がない場合や、逃走のおそれがある場合、出頭に応じない場合を除いては逮捕できないと定められています。(刑事訴訟法199条1項、同法213条)
ですから警察が、線路内に立ち入った撮り鉄を鉄道営業法違反で逮捕するのは難しいと言えるでしょう。
しかし逮捕できなくても在宅で警察の捜査を受け刑事責任に問われる可能性は十分にあります。
別の犯罪に抵触する可能性もある
威力業務妨害
線路内に立ち入ることによって、走行中の電車を停止させたり、その影響によって電車の運行に影響を及ぼし、鉄道会社の営業を妨害したとみなされると威力業務妨害罪に問われる可能性があります。
威力業務妨害罪の罰則は、鉄道営業法違反とは違い、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金と厳しいものなので、逮捕される可能性も十分に考えられます。
往来危険罪
もし線路内に立ち入ったことによって列車の往来に危険を生じさせると往来危険罪に問われる可能性があります。
往来危険罪は、過失の場合も過失往来危険罪として刑事責任を問われるので注意が必要です。
往来危険罪の法定刑は2年以上の有期拘禁刑ですが、過失往来危険罪の場合は、30万円以下の罰金です。
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