注意!!銀行口座を他人に譲渡することは法律で禁止されています。

注意!!銀行口座を他人に譲渡することは法律で禁止されています。

銀行口座の譲渡について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事例 

大阪市住吉区に住むAさんは、数カ月前に、10年以上勤務した会社を辞めましたが、その後、再就職先が見つからず、それまでの貯金を崩しながら生活していました。
そんな中Aさんは、スマートフォンに送られてきた「即日融資します。」というDMを見て、この業者に電話してみたのです。
業者から「銀行口座のキャッシュカードを郵送してくれれば、その口座に10万円入金します。」という説明を受けたAさんは、怪しいと思いながらも、指定された住所に、数年前に開設した銀行口座のキャッシュカードを郵送しました。
しかしその後、業者に連絡をしましたが電話が通じなくなってしまい、銀行口座を騙し取られたと思ったAさんは、自宅近くの大阪府住吉警察署に相談に行きました。
そうしたところ、担当の刑事さんから「銀行口座を他人に譲渡することは法律で禁止されています。犯罪です。」と言われ、被疑者として扱われてしまいました。
(フィクションです)

この参考事例のように、経済的に困窮した方の弱みに付け込み、銀行口座のキャッシュカードの譲渡を条件にお金の貸し付けを約束する悪質な業者が後を絶ちませんが、自身のキャッシュカード等を他人に譲渡することは犯罪です。
本日は、この様な行為が、どのような犯罪になるのかを解説します。

Aさんの場合

Aさんは、数年前に開設した銀行口座のキャッシュカードを他人に譲渡しています。
キャッシュカードを他人に譲渡して、第三者が口座を利用できる状況にすることは、口座を譲渡したこととなり、この行為は、犯罪収益移転防止法違反となります。
犯罪収益移転防止法とは、犯罪収益が組織的な犯罪を助長するために使用されるとともに、犯罪収益が移転して事業活動に用いられることによって健全な経済活動に重大な悪影響を与えることや、犯罪収益の移転が、被害回復等を困難にしていることから、犯罪収益の移転防止を図り、国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的にする法律です。

そして犯罪収益移転防止法で、銀行口座を他人に譲渡することを禁止しています。
これに違反すれば1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が科されます。
罰金刑が定められているので初犯であれば、略式罰金の可能性が高いですが、複数の銀行口座を譲渡していた場合などは、起訴されて公開裁判になる可能性があります。
また銀行口座の譲渡が業として行われた場合は、3年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金(又はその両方)と厳しい罰則が科せられるおそれもあります。

他人に譲渡するために銀行口座を開設したら

Aさんは、以前から所有していた銀行口座を他人に譲渡しています。
上記の通り、この行為は犯罪収益移転防止法違反となりますが、それでは、他人に譲渡するために銀行座を開設すればどうなるのでしょうか?
その場合、銀行員を騙して口座を開設したということで、詐欺罪に問われる可能性が高いです。
皆さんもご存知のとおり、銀行口座を開設する際は、銀行員から「口座の使用用途」等の調査を受けますが、その使用用途を偽って銀行口座を開設すれば、詐欺罪になるのです。
詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」と、上記した犯罪収益移転防止法違反よりも厳しい罰則になっており、罰金刑の規定がないために起訴されて有罪が確定すれば、執行猶予を得ない限りは刑務所に服役しなければなりません。

銀行口座を開設直後に譲渡している場合や、開設後に一度も使用せずに譲渡している場合などは、「開設当初から他人に譲渡する目的で銀行口座を開設した」と疑われて詐欺罪が適用されるおそれがあるので注意してください。

他人に銀行口座を譲渡してしまったあなたは

銀行口座を他人に譲渡してしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部では、無料法律相談、初回接見サービスのご予約をフリーダイヤル0120-631-881で24時間、年中無休で承っております。

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