業務実態のない友人に報酬 背任罪で逮捕

大阪府富田林市で、業務実態のない友人に報酬を支払ったとして背任罪で逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事例

Aさんは、大阪府富田林市に本社を置く中小企業で経理業務を担当していました。
この会社では、代表取締役であるVさんが経費の大枠を管理しつつ、日常的な出金や契約手続についてはAさんに大幅な裁量を与えていました。
Aさんは、友人で現在は無職のBさんに「社外業務補助」の名目で業務委託契約を結ばせ、半年間にわたり毎月数十万円の報酬を支払いました。
しかし、実際にはBが会社の業務に関与していた形跡はなく、業務日報や成果物も確認されませんでした。
後日、会社の資金の流れに不審な点を発見した他の社員が警察に通報し、富田林警察署は、Aさんを背任罪の容疑で逮捕しました。
(事例はフィクションです。)

背任罪とは

刑法第247条は、背任罪について以下のように規定しています。

刑法第247条(背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

背任罪が成立するには、①他人のため事務を処理する者が、②図利目的又は加害目的で、③任務違背行為をし、④財産上の損害を与えることが必要です。
では、今回の事例において背任罪は成立するのでしょうか。
1つずづ見ていきましょう。


①背任罪における「事務」は、機械的な事務は含まず、また、財産的な事務に限るとされています。
今回の事例では、Aさんは大幅な裁量を与えられている経理担当であることから、問題なくこの要件は満たされるでしょう。


②背任罪には、主観的要件として、(a)自己もしくは第三者の利益を図る目的、又は(b)本人に損害を与える目的が必要とされています。
今回の事例では、Aさんは友人であるBさんの利益を図ることを目的としているため、この要件も満たされるでしょう。


③ある具体的な行為が、任務違背行為(背任行為)にあたるかは、社会通念を基礎に判断されるとされています。
しかし、今回の事例のような業務実態がない友人に報酬を支払う行為は、任務違背行為といえることは間違いないでしょう。


④次に、財産上の損害についてですが、Bさんからの業務報告・成果物がない以上、財産上の損害はあったとされるでしょう。
したがって、今回の事例では、背任罪が成立する可能性が高いと言えます。

背任罪における弁護活動

背任罪の弁護活動としては、主に次のようなものがあります。

示談交渉

被害者に対して謝罪し、被害弁償を行うことで示談を締結し、不起訴処分を目指します。
特に、弁護士を介することで冷静な交渉が可能になり、妥当な示談金額での解決の可能性が高まります。
示談が成立すれば、不起訴処分や刑の減軽が期待できます。

取調べへの対応支援

捜査機関による厳しい取調べに備え、被疑者が自身の意に沿った供述をできるようアドバイスを行います。
嘘の自白調書には署名・押印してはいけない等のアドバイスを受けることで、適切に取調べに対応し、真意に即した供述調書を作成を目指します。

早期の身柄解放

逮捕・勾留されてしまった場合、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを示す客観的証拠を収集・提示し、早期の釈放・保釈を目指します。

刑事に強い弁護士事務所

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件・少年事件を専門に扱っており、刑事事件に強い弁護士が無料法律相談・初回接見を行っております。
無料法律相談・初回接見のご予約はフリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けております。
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