昏酔強盗で友人が逮捕 警察署への出頭を検討~①~

友人が昏酔強盗で逮捕されたので、警察署への出頭を検討している事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

大学生のAさんは、同級生と共に大阪の難波の居酒屋でお酒を飲んでいた時に、若い女性二人をナンパし、一緒にお酒を飲みました。
居酒屋を出た四人は、その後、カラオケに場所を移し、そこでも四人でお酒を飲んだのですが、女性二人が酒に酔って居眠りを始めたことから、Aさんは友人と共に、女性の財布からお金を抜き取ることを企てました。
そして女性が完全に眠り込んだことを確認して、Aさんらは財布から現金だけを抜き取って、そのまま女性を残して帰宅したのです。
2日前に友人が、大阪府南警察署昏酔強盗罪逮捕されたことを知ったAさんは、刑事事件専門の弁護士に法律相談し、この弁護士に警察署への出頭に同伴してもらいました。
(フィクションです)

昏酔強盗罪(刑法第239条)

人を昏酔させてその財物を窃取すれば「強盗罪」になります。(刑法第239条)
強盗罪と言えば、人に暴行や脅迫を加えてお金等の財物を強取する犯罪をイメージしがちですが、相手方を昏酔させてその犯行を抑圧して財物を窃取する行為も、実質的な違法性の程度は通常の強盗罪と同じであることから、昏酔強盗罪は、強盗罪と同じ扱いを受けます。
犯行の性質上、昏酔強盗罪は「準強盗罪」と呼ばれることがあります。
昏酔強盗罪の「昏酔」とは、一時的又は意識喪失その他、意識又は運動機能に障害を生じさせて、財物に対する有効な支配を及ぼし得ない状態に陥らせることを意味します。
代表的な例としては、睡眠薬を飲ませたり、麻酔薬を投与することがこれに当たりますが、大量のお酒を呑ませて泥酔させることも「昏酔」に当たるとされています。
また相手を昏酔させる行為は、財物窃取の目的でされなければ昏酔強盗罪は成立しないとされています。

明日のコラムでは、Aさんの行為が昏酔強盗罪に当たるかどうかを検討します。

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