薬物事件を解説する、大阪府の薬物事件の2回目、本日は、昨年(令和4年)1年間で、薬物事件の中で検挙件数が、前回解説した『覚醒剤取締法違反』に次いで多かった『大麻取締法違反』について解説します。
大阪府警が公表した統計によると、本日解説する『大麻取締法違反』で、令和4年に大阪府警が検挙した件数は685件でした。
大麻取締法で規制している大麻とは、大麻草およびその製品のことをいいます。
ただし、大麻草の成熟した茎及びその製品(樹脂を除く。)並びに大麻草の種子及びその製品については、規制対象から除外しています。
大麻については、近年、若年化が問題になっており、中学生が検挙されることもあります。
また大麻の形状(種類)が多様化してきており、警察が押収する大麻の種類は、乾燥大麻だけにとどまらず、リキッド状の大麻や、ワックス状の大麻もあるようです。
大麻取締法
大麻取締法では、大麻の所持や、譲渡、譲受、輸出入や栽培が規制されています。
前回解説した覚醒剤取締法では、使用が規制されていましたが、大麻の使用については規制されていないのが特徴です。
大麻の使用に関しては規制を拡大する意見もあるようですが、実際に使用罪を新設するに当たっては様々な問題があり、法改正には時間がかかるでしょう。
罰則
それでは大麻取締法で規制されている違法行為をした場合の罰則について解説します。
大麻取締法では規制されている違法行為の罰則は、覚醒剤取締法と同様に非営利目的の場合と、営利目的の場合で異なり、その罰則については以下の通りです。
~非営利目的の場合~
所持、譲渡、譲受・・・5年以下の懲役
栽培、輸出入・・・7年以下の懲役
~営利目的の場合~
所持、譲渡、譲受・・・7年以下の懲役、情状により200万円以下の罰金を併科
栽培、輸出入・・・10年以下の懲役、情状により300万円以下の罰金を併科
~次回は、麻薬及び向精神薬取締法について解説します。~