新聞や、テレビのニュースなどで毎日のように、何らかの薬物事件が報道されています。
大阪府警が公表している統計によると、昨年(令和4年)1年間の、薬物事件の検挙件数の総数は2063件でした。
そこで本日より薬物事件を特集します。
初日の本日は、昨年(令和4年)1年間で、薬物事件の中で検挙件数が一番多かった『覚醒剤取締法違反』について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。
覚醒剤取締法
覚醒剤取締法でいう覚醒剤とは、フエニルアミノプロパン、フエニルメチルアミノプロパン及び各その塩類や、同種の覚醒作用を有する物であつて政令で指定するもの、そしてこれらを含有する物(同法第2条1項参照)です。
そして、この覚醒剤や覚醒剤原料の使用や所持、譲渡や譲受、輸出入、製造等を規制しているのが覚醒剤取締法です。
罰則
それでは覚醒剤取締法で規制されている違法行為をした場合の罰則について解説します。
覚醒剤取締法では規制されている違法行為の罰則は、非営利目的の場合と、営利目的の場合で異なります。
まず非営利目的の場合の罰則については以下の通りです。
~覚醒剤について~
所持・使用・譲受・譲渡・・・10年以下の懲役
輸出入・製造・・・1年以上の有期懲役
~覚醒剤原料について~
所持・使用・譲受・譲渡・・・7年以下の懲役
輸出入・製造・・・10年以下の有期懲役
続いて営利目的の場合の罰則については以下のとおりです。
~覚醒剤について~
所持・使用・譲受・譲渡・・・1年以上の有期懲役、情状により500万円以下の罰金を併科
輸出入・製造・・・無期又は3年以上の懲役、情状により1000万円以下の罰金を併科
~覚醒剤原料について~
所持・使用・譲受・譲渡・・・10年以下の懲役、情状により300万円以下の罰金を併科
輸出入・製造・・・1年以上の有期懲役、情状により500万円以下の罰金を併科
営利目的の場合は厳罰化されているのが分かりますが、その中でも覚醒剤の営利目的輸出入や、製造については無期懲役が規定されており、非常に厳しい罰則であることがわかります。
~次回は、大麻取締法について解説します。~