制止しようとした相手を車で引きずり逮捕 岸和田市の殺人未遂事件

制止しようとする交通事故相手を車で引きずったとして、殺人未遂罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

Aさんは、車で大阪府岸和田市のドラッグストアに行った際、駐車場において、軽四自動車と接触する事故を起こしてしまいました。
運転免許証を自宅に忘れて不携帯だったAさんは、警察に通報されると厄介だと思い、そのまま逃走しようとしました。
ところが、軽四自動車の男性運転手が車から降りてきて、Aさんの車を制止しようと、Aさんの車にしがみついたのです。
Aさんは、しがみついた男性を振るい落とそうと、男性を引きずりながら数百メートル、車を走行させましたが、逃走することを諦めて車を停止させました。
そうしたところ、Aさんは通報で駆け付けた警察官に、殺人未遂罪で現行犯逮捕されました。
(フィクションです)

殺人未遂罪

上記事件のように、人がしがみついている車を走行させる行為は殺人未遂罪になりかねません。
そもそも殺人罪は、故意的に人を殺すことによって成立する犯罪で、相手が亡くなるまでの結果に至らなかった場合は殺人未遂罪となります。
ここでポイントとなるのが殺意(殺人の故意)の有無です。
ここでいう殺意とは、「殺してやろう」といった明確的なものでなくても、その行為によって相手が死んでしまうかもしれないと思いながらも、その行為を継続した場合にも認められます。
当然、殺意については人の内面に関するものであり客観的に分かるものではないため、行為者に殺意があったかどうかの真相は行為者本人にしか知りえないものですが、警察等は、その行為態様等によって、客観的に殺意を立証していきます。
つまり行為自体が、人を殺害してしまうほどの危険性が認められるならば、殺してしまう可能性を認識していたのだから、殺意もあるだろうというように考えられてしまうわけです。

制止しようとする交通事故相手を車で引きずると

以上のことを今回の事件に当てはめてみますと、車は立派な凶器であり、故意的に人に衝突したり、参考事件のように、車を走行させて車体にしがみついている人を引きずれば、相手が死亡する危険性が十分に考えられるので、殺人未遂罪が成立する可能性は極めて高いでしょう。
逆に、運転手が、人が車体にしがみついていることを知らなかった場合は、車を運転するに当たっての注意が不足していたとして、相手が死傷すると過失運転致死傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第5条)に問われる
でしょう。

逮捕された場合は

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、刑事事件・少年事件を中心に扱う法律事務所です。
大阪府岸和田市で刑事事件を起こして警察に逮捕されたなど、刑事事件に関してお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部ご相談ください。
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