タクシー運転手のスマホを持ち去り 器物損壊罪で逮捕

タクシー運転手のスマホを持ち去ったとして器物損壊罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

事件内容

逮捕された男性は、大阪(伊丹)空港において、予約していたタクシーの駐車位置が、思っている場所と違った事からトラブルとなり、タクシー運転手が110番通報した際に、このタクシーの男性運転手のスマホを取り上げて、持ち去ったとして、事件発生から4カ月以上経過した12月20日、器物損壊容疑逮捕されました。

12月20日配信の毎日新聞ニュースを引用

窃盗罪では?

人の物を盗れば「窃盗罪」が成立します。
ですから、今回の事件でも「窃盗罪ではないの?」と疑問を抱いた方が多いかと思います。
窃盗罪が成立するためには、「不法領得の意思」が必要不可欠とされています。
「不法領得の意思」とは、権利者を排除して他人の物を自己の所有物としてその経済的用法に従い利用処分する意思のことです。
今回の事件だと、タクシー運転手のスマホを、自分で使用したり、転売する等の目的で、取り上げて持ち去っていれば窃盗罪が成立したでしょうが、今回は、そういった目的ではなく不法領得の意思が認められないので窃盗罪が適用されなかったのでしょう。

器物損壊罪

器物損壊罪と聞くと「何か壊したの?」と思われる方がほとんどでしょう。
確かに、刑法第261条で、器物損壊罪は「(中略)~他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。」と規定されているので「損壊=壊す」とイメージしてしまうのでしょうが、器物損壊罪でいう「損壊」とは、物を物理的に破壊する事だけに限られていません。
その物の効用を害する一切の行為が器物損壊罪でいうところの「損壊」に当たるので、今回の事件のように、人のスマホを使用できなくする行為も、器物損壊罪となるのです。

器物損壊罪は親告罪

器物損壊罪は親告罪です。
親告罪とは、被害者等の告訴権を有する人の刑事告訴がなければ、犯人を起訴できない犯罪です。(窃盗罪は親告罪ではない)
逮捕された男性が、今後起訴されるまでに、タクシー運転手と示談すれば不起訴となる事は間違いないでしょうから、刑事罰を免れたいのであれば示談の成立を目指すことが大切です。

器物損壊事件に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は刑事事件専門の法律事務所です。
大阪府内の器物損壊事件でお困りの方は是非ご相談ください。
またご家族、ご友人が大阪府内の警察署に逮捕されてしまった方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が提供する 初回接見サービス をご利用ください。

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