全国展開する大型量販店において、お店が発行する電子クーポンを悪用し、不正に商品を購入した電子計算機使用詐欺事件において、お店側に被害弁償をして検察庁への送致を免れた弁護活動と、お客様の声を、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が紹介します。
◆事件概要◆
事件を起こしたのは30代の会社員、男性です。
男性は、全国展開する大型量販店をよく利用しており、そのお店のアプリ会員でもありました。
男性は、お店が購入金額に応じて発行している電子クーポンを、複数のスマートホンを使用して不正に取得し、不正取得したクーポンを利用して買い物をしていたのです。
同じ手口で不正に買い物を繰り返していた男性は、ある日、お店の通報で駆け付けた警察官によって検挙されてしまいました。
◆結果◆
不送致
◆事件経過と弁護活動◆
今回の事件は、お店が被害者となる財産犯事件でした。
この類の事件は、事件を起こした人に前科がなければ、お店と示談して被害弁償することによって、不起訴となるケースが多いのですが、逆に、示談や被害弁償がなければ何らかの刑事罰が科せられる可能性が高くなります。
また全国展開する大型店や、コンビニなどは、会社の規定で犯罪行為に対して厳しい姿勢を貫いており、弁護士を選任したとしても、示談を締結したり、被害弁償を受け取ってもらうことは非常に困難です。
そういったことから、今回の事件もお店側との交渉が難航するかと思われましたが、弁護士が、お店の代表者と粘り強く交渉を続けたところ、何とか被害弁償を受け取ったもらうことができました。
そしてその結果を警察に報告したところ、お店側に被害弁償ができていることが高く評価され、それ以上の捜査は打ち切られ、検察庁への送致も免れることができました。