「大丈夫?」と声をかけた・・・ひき逃げで逮捕

小学生を車ではねてしまった際に、警察に届け出たり、救急車を呼んだりしなかったとして車を運転していた男性がひき逃げの容疑で大阪府泉南警察署に逮捕されたようです。
逮捕された男性は警察の取調べに対して「大丈夫?」と声をかけたと、ひき逃げの容疑を否認しているようです。
はたして「大丈夫?」と声をかけたからといってひき逃げの容疑を免れることができるのでしょうか?弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

こちらの記事を参考にしています。

ひき逃げ事件とは?

車やバイクを運転していて交通事故を起こすと、警察に事故を届け出たり、けが人がいる場合は救急車を呼ぶなど救護に必要な措置を必ず取らなければいけません。
この救護に必要な措置を怠り事故現場を離れてしまうと救護義務違反となり、刑事罰の対象となってしまいます。
このことが、一般的にひき逃げと呼ばれています。
ちなみに事故の際に、けが人がいない場合は当て逃げと呼ばれるのが一般的です。

「大丈夫?」と声をかけたら大丈夫なのか?

「大丈夫?」と声をかけたら、ひき逃げの刑事責任を免れると勘違いをしている方がいるようですが、そうではありません。
相手から「大丈夫」と言われたからといってひき逃げの刑事責任を免れれるわけではないので注意が必要です。
特に小学生のような年少者の場合は、例え、「大丈夫」と言われたとしても警察に届け出たり、救急車を呼ぶ等の措置をとるべきでしょう。

相手側に過失があるとどうなるの?

今回の事故現場には「自転車側に一時停止の標識があった。」と報道されています。
もし、この事故が自転車に乗っていた小学生の飛び出しが原因で起こったとすれば、事故の過失は負傷した側にあったといえるでしょう。
その場合でも、車の運転手に救護義務があるのかと疑問が浮かぶかもしれませんが、事故の原因が負傷者にあった場合でも、事故の原因は相手にあるのだから自分は悪くないと思い、とるべき措置をとらずにその場を逃走すると救護義務違反となります。

ひき逃げ事件で逮捕されるのか?

ひき逃げ事件に限らず、警察が犯人を逮捕するかどうかの判断は、逃走の可能性があるかや、証拠隠滅の可能性があるかが大きく影響します。
警察からすると、ひき逃げは、実際に事故を届け出ずに逃走しているわけですし、事件(事故)を立証するために必要不可欠となる証拠品である事故車両を犯人が処分する可能性も考えられるわけですから、逮捕の可能性は十分にあると考えられます。

交通事故は車やバイクを運転する方なら誰もが起こしてしまう可能性のあることです。
細心の注意を払いながら運転して交通事故を起こさないことが一番大切ですが、もし事故を起こしてしまったり、事故に巻き込まれてしまった場合でも、負傷者の救護を最優先に行い、警察に事故を届け出るなど適切な措置を行いましょう。
また交通事故が刑事事件化された場合は、弁護士に相談しその後の対応を検討することが大切です。

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