【大阪の刑事事件】独占禁止法違反を大阪の刑事事件に強い弁護士が解説③

2018-06-06

今回からは、独占禁止法の不当な取引制限について解説します。

~独占禁止法第2条第6号(不当な取引制限) -談合ー ~

独占禁止法では、「不当な取引制限」にあたるとして談合を禁止しています。
「不当な取引制限」とは、事業者が、契約、協定その他何らの名義をもってするかを問わず、他の事業者と共同して対価を決定し、維持し、若しくは引き上げ、又は数量、技術、製品、設備若しくは取引の相手方を制限する等相互にその事業活動を拘束し、又は遂行することにより、公共の利益に反して、一定の取引分野における競争を実質的に制限することをいいます。(第2条第6号条文を引用)
一定以上の価格にすることを取り決める価格カルテルや、入札談合などがこれに当たります。
こうした不当な取引制限をした者は、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科せられるおそれがあります。(第89条第1項)。
ちなみに、不当な取引制限は未遂も処罰の対象となります。

~共同して相互の事業活動を拘束~

「不当な取引制限」をしたとして刑罰を科すためには、事業者同士が「共同して…相互にその事業活動を拘束し、又は遂行」する必要があります。
一方的に相手や自分の事業活動を拘束したり、偶然事業者同士が同じ活動をしても「共同して…相互にその事業活動を拘束し」たとはいえず、事業者間に何らかの意思の連絡が必要とされているのです。
東芝ケミカル事件の審判決例では「複数事業者間で相互に同内容又は同種の対価の引き上げを実施することを認識ないし予測し、これと歩調をそろえる意思があること。」を意味するとしています。
直接事業者同士が会って約束することまでは必要されておらず、他の事業者の価格引き上げを認識して暗黙の裡に認容することで足りるとされています。
時効や共犯などの関係で、いつこの「拘束」や「遂行」が行われたのかが問題となります。不当な取引制限違反の罪の時効は5年ですので、「拘束」や「遂行」が5年以上前に行われたとなると、公訴時効が成立し、起訴されないからです。
また、途中から談合に加わった者であっても、「拘束」や「遂行」が終わった後で加わったのであれば共犯者とならないことになります。
長期にわたる談合の場合、基本ルールについての合意があった後に、個別の発注において個別調整が行われます。
多くの裁判例では、基本ルールの合意を「相互に…拘束」個別の発注における調整を「遂行」として、不当な取引制限の罪の包括一罪として処罰しています。
基本ルールの合意が5年以上前であっても、個別の受注調整が5年以内に行われたのであれば、不当な取引制限違反の罪に問われるのです。
また、基本ルールの合意には参加していなくても、後の個別の受注調整に携わった者も、不当な取引制限をした罪に問われてしまいます。

次回は、引続き独占禁止法の不当な取引制限の要件について解説します。

~大阪で独占禁止法違反でお困りの方は弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にお問い合わせください。~