ケース
八尾市に住むAは、自宅で大麻を栽培していたとして大阪府八尾警察署に逮捕されました。(フィクションです)
大麻の栽培~大麻取締法違反の罰則~
大麻取締法で、大麻の栽培が禁止されています。
大麻の栽培については、栽培の目的に応じて刑事罰が異なり、自己使用といった非営利の目的で大麻を栽培した場合の罰則規定は「7年以下の懲役」ですが、密売といった営利の目的で大麻を栽培した場合の罰則規定は「10年以下の懲役」で情状により300万円以下の罰金が併科されます。
営利目的
大麻取締法以外にも、覚せい剤取締法等のように薬物を規制する法律では、違反に対する罰則のなかに、営利目的加重処罰規定とよばれるものがあります。
これは、自分で使用するためといったように単純な目的で罪を犯した者よりも、営利の目的で罪を犯した者に対しての方が、より重い刑事罰が科されるというものです。
それでは営利の目的とは何でしょうか?
法律的に、営利目的とは「犯人がみずから財産上の利益を得、又は第三者に得させることを動機・目的とする場合」とされています。
これを簡単に表現すると「薬物の密売を商売として利益を得ている」ことです。
大麻の栽培事件では、栽培している大麻の量、犯人の経済状況、犯人の交友関係等から、栽培の目的が立証されるケースが多く、警察等の捜査機関は、逮捕前に長期間の内偵捜査を経て逮捕に踏み切るケースが多いようです。
刑事罰
大麻の非営利目的で逮捕されて、起訴されても初犯であれば執行猶予付の判決となるケースがほとんどですは、営利目的が認められた場合は、そう軽くはありません。
初犯であっても実刑判決になる可能性が高く、場合によっては懲役刑と罰金の両方が科せられる場合もあるので注意しなければなりません。