出資法違反の元本保証

2019-06-11

出資法違反の元本保証

~事例~

大阪府高槻市に住むAはSNSで知り合った人たちについて出資を募り、投資をしていました。
その出資を募る際に、Aは「元本は保証させてもらいます。」と言っていました。
出資者の一人が大阪府高槻警察署に通報したことにより事件が発覚し、Aは出資法違反の疑いで逮捕されることになってしまいました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの妻は刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼することにしました。
(この事例はフィクションです)

元本保証

今回のAについて問題となっているのは、投資のためのお金を集めるにあたって「元本保証したこと」です。
「元本」とは、元手となるお金のことで、収益を生み出すもととなる元金のことをいいます。
預貯金をするときの元手となる預入元本、株や債券などの投資をする際に必要な購入元本、投資信託購入時の基準価額である個別元本、住宅ローンや自動車ローンなどの借入金のうち利息を含まない借入元本などがあります。
「元本割れ」とは、元本より少ない金額しか投資資金が戻らないこと。「元本保証」とは、資金の運用期間すべてに渡って元本の額が減らない(元本割れしない)ことが保証されていることをいいます。
こうしてみると、元本保証は出資した人にとっては良いことのようにみえますが、出資法により禁止されています。

出資法違反

今回、Aの掛けられている容疑は「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」(いわゆる“出資法“)違反です。

出資法1条
「何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。」
出資法1条に違反した場合の罰則については、「3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金、又は併科」が規定されています。

出資法違反第1条では、正規に認可を受けた金融機関以外が、不特定多数の出資者に対し、出資金の保証、元本保証をして、お金を集める行為を禁止しています。
つまり、今回のAのように出資を受ける際に、不特定多数の出資者に対して元本保証を約束していると違法となってしまうのです。
元本保証を約束してしまうと、明示されている場合はもちろんのこと、暗に示されている場合でも出資法違反となる可能性が高いです。

弁護活動

出資法が、元本保証を禁止しているのは、虚偽の説明で出資者の判断を誤らせることを防止したり、一般大衆が不測の財産的損害を被ることを早期に防止したりするためだとされています。
つまり、保護法益は取引の安全といった社会的秩序ということになりますので、実際に出資をした人が被害者というわけではありません。
そこで弁護活動としては、元本保証が明示されていたわけではない場合などは、元本保証をしているわけではないと主張していき、不起訴を目指していくことになります。
また、明示されていた場合や、元本保証をしていないという主張が認められなかった場合でも、出資をした人に返金したりして、検察官と処分の交渉をしていくこともあります。
元本保証出資法違反の場合、出資法違反だけでなく、状況によっては刑法の詐欺罪特定商取引法違反となる可能性もありますので、専門家である弁護士に相談するようにしましょう。

出資法違反など、特別法の規定であっても弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は対応が可能です。
ご来所いただいての無料法律相談だけでなく、ご家族等が逮捕されている場合には初回接見サービスで弁護士を派遣させることもできます。
出資法違反、その他刑事事件でお困りの方はフリーダイヤル0120-631-881にお電話ください。