無銭飲食が詐欺事件に

2019-10-07

無銭飲食が詐欺事件に

無銭飲食について弁護士事務所あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

~事例~
奈良市山陵町に住む大学生のAは、大阪に住む親元から離れて一人暮らしをしていました。
親に迷惑をかけてはいけないと考えていたAは、親からの仕送りをもらわずに生活していました。
しかし、アルバイトをしていても生活は苦しく、生活は困窮していき、空腹に耐える日々が続いていました。
どうしても空腹に耐えられなくなったAはついに、食い逃げをしようと決意し、近くの定食屋に入り、飲食後、店員の隙をついて逃げようとしたが捕まり、そのまま奈良県奈良西警察署の警察官に詐欺の疑いで逮捕されてしまいました。
Aが逮捕されたという連絡を受けたAの両親は刑事事件に強い弁護士に初回接見を依頼しました。
(この事例はフィクションです)

詐欺罪

詐欺罪刑法第246条に規定されており、人を欺いて、財物を交付させたり、財産上の利益を得たりした者について、「10年以下の懲役」が規定されています。
詐欺罪にはさまざまなものがあり、有名なものでは、息子などと語り高齢者をだましお金を交付させるオレオレ詐欺などの「振り込め詐欺」や、同じく高齢者をターゲットに、還付金が返ってくるといって手数料などを先に交付させる「還付金詐欺」などがあります。
この他にも、出会い系サイトなどで知り合った相手に結婚を約束させて、その後に言葉巧みに現金を搾取する「結婚詐欺」や、不動産売買により金銭を支払わせる「不動産詐欺」などがあります。
上記のような詐欺のイメージから、詐欺とは、大金がかかってくるものと思われがちですが、飲食代金を得ただけのような今回の事例の無銭飲食、いわゆる食い逃げであっても詐欺罪となる可能性があります

無銭飲食(食い逃げ)

無銭飲食詐欺罪となる可能性があると先に述べましたが、詐欺には1項で財物について、2項で財産上の利益について規定しており、以下のようなケースでの違いが考えられます。

ケース1
料理を注文する時点ですでに支払い意思がない場合

1項詐欺既遂罪が成立
まず、お金がないのに店員に料理を注文する行為は「欺罔行為」と言えます。
そして、店員は料理を提供すれば代金を支払ってもらえるという「錯誤」に陥り、その「錯誤」に基づいて料理という「財物」を提供(「交付」)しています。
また、注文する時点ですでに支払い意思がなかったのですから「故意」も認められます。

ケース2
お金を持っていると思って入店したところ、飲食の途中でお金がないことに気づき、飲食後に代金支払いの意思がなくなり、店員に「後で支払う」と言って代金の支払いを免れた場合

2項詐欺罪が成立
まず、「料理を注文した時点」では、詐欺の「故意」が認められませんから、1項詐欺罪は成立しません。
しかし、「支払いの段階」では、店員に嘘を言い(「欺罔行為」)、店員は当然代金を支払ってくれるという「錯誤」に陥り、その「錯誤」に基づいて支払いを免除するという「財産的処分行為」を行っています。
また、「支払いの段階」以後は、「故意」が認められます。

詐欺罪でもこのような違いがありますし、ケース2のように食事後にお金が足りないことに気付いたような場合に、店員に対して、暴行や脅迫を用いることで支払いを免れたような場合には、強盗罪や恐喝罪となる可能性もあります。
このように無銭飲食と言ってもさまざまな可能性がありますので、具体的な事例に対する見通しは刑事事件に強い弁護士の見解を聞くようにしましょう


刑事事件に特化し数多くの事件を解決してきた、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は、依頼者の状況に応じたベストの解決策を提供し、全力を尽くしていきます。
奈良県でご家族が逮捕されてしまった、詐欺罪やその他刑事事件でお困りの方は、フリーダイヤル0120-631-881にて24時間受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。