同級生との性交渉が刑事事件に発展 同意の有無が争点に

2021-05-11

強制性交等罪と被害者の同意について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

同級生との性交渉が刑事事件に発展

大阪市内の大学に通うAさんは、同じ学部の同級生の女性とお酒を呑みに行きました。
お互いに酔払っていたため、同級生の女性はAさんの部屋に泊まることになり、部屋に帰ってからも二人でお酒を呑んでいたのですが、お互いにいい雰囲気になったと思ったAさんは女性に性交渉を持ちかけました。
最初こそ、女性から「彼氏がいるから駄目だ。」と断られたのですが、Aさんが肩を抱き寄せいたりしても全く嫌がる素振りを見せなかったことから、Aさんは女性の同意を得たのだと信じ込み、そのまま女性をベッドに押し倒して性交渉しました。
そして翌朝、目が覚めると女性は帰宅しており、その日以来女性と連絡がつかなくなっていました。
それから1ヶ月近くして、急に大阪府天王寺警察署に呼び出されたAさんは、刑事さんから女性が強制性交等罪で被害届を提出していることを知らされました。
(フィクションです。)

「強制性交等罪」とは

強制性交等罪は刑法177条に規定されています。

刑法第177条
13歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は、強制性交等の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

まず、強制性交等罪は「暴行」、「脅迫」を手段とする犯罪です。
相手方を殴る、蹴る、羽交い絞めにする、押し倒すなどが「暴行」の典型ですが、「暴行」の程度は、相手方の反抗(抵抗)を著しく困難にさせる程度のものが必要とされています。「脅迫」についても同様です。
なお、相手方が13歳未満の場合は「暴行」、「脅迫」の手段は不要です。
つまり、13歳未満の者と認識しつつ「性行等」を行えば、強制性交等罪に問われます。

ちなみに「性行等」とは、俗にいうところのセックスのみならず、肛門性行、口腔性行も含まれ、女性が加害者になる場合もあれば、男性が男性に対して無理矢理、肛門性行や口腔性行を行った場合も含まれるので注意が必要です。

被害者の同意

強制性交等罪が成立するには、被害者が13歳以上の場合、「暴行又は脅迫」と「性交等」が必要です。
また強制性交等罪は相手方の性的自由を保護する犯罪で故意犯ですから、

①被害者の同意がないこと
②加害者に暴行又は脅迫、性交等、相手方の同意がないことについて認識していること

が必要です。

ここでいう被害者の同意とは、法益の帰属者たる被害者が、自己の法益(身体・生命の安全)を放棄し、その侵害に承諾又は同意を与えることをいいます。
かつては、この被害者の承諾によって、守るべき法益(保護法益)がなくなったことを根拠に、被疑者の行為の違法性がなくなり(違法性が阻却され)不可罰となる、と考えられていました。
しかし近年は、その「守るべき法益がなくなったこと」に加え、被疑者の行為の社会的相当性も必要とする、という考え方が主流です。

以上の考え方から、被害者の同意があったというためには、

〇同意自体が有効なものであること
〇同意が内心にとどまらず、外部に表明されていること 
〇同意が行為時に存在すること
〇同意に基づいてなす行為が、その目的、動機、方法、態度、程度等において国家・社会の倫理規範に違反せず、社会的相当性を有すること

という要件が必要です。
仮にこれらの要件を満たさない場合は、「被害者の同意はない」と判断されてしまう可能性が非常に高くなります。

同意がないことを認識しているかどうかが問題  

では、仮に被害者の同意はない、とされた場合、直ちに強制性交等罪が成立するかといえばそうではありません。
さらに、被疑者が、被害者の同意がないことについて認識していること、が必要です。
つまり、加害者が被害者の同意がないことについて誤信していた場合(同意があると思っていた場合)は強制性交等罪が成立しない可能性があります。
強制性交等罪をはじめとする性犯罪ではこの点が争われることが多いです。
ただ、加害者が誤信していたかどうかは、

〇性交等に至るまでの経緯
〇性交等の際の言動
〇性交等後の経緯

などを総合的に勘案して決せられます。

強制性交等罪に強い弁護士

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部は、強制性交等罪をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。
強制性交等罪は、警察に逮捕される可能性のある非常に厳しい犯罪です。
大阪府天王寺警察署において、強制性交等罪で取調べを受けている方は、今すぐフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお電話ください。