示談金を請求 恐喝未遂罪で逮捕

示談金を請求したことによって、恐喝未遂罪で逮捕された事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所大阪支部が解説します。

参考事件

Aさんは、大阪府門真市に一軒家を所有していますが、この家は両親が亡くなってから空き家となっています。
半年ほど前から、この空き家に近所の中学生が勝手に出入りし、ゴミを散乱させるなどしていたことから、Aさんは、空き家に監視カメラを設置して防犯対策していました。
そんな中、空き家に勝手に入っていた近所の中学生の家を特定できたので、Aさんは、その中学生の家に行き、対応した両親に対して「勝手に家に入ってきている映像は撮ってある。示談金として100万円を支払え。もし払わないのであればネットの映像を晒すし、子供の名前や、ここの住所も晒す。」と言いました。
この行為が恐喝に当たるとして、Aさんは、恐喝未遂罪で大阪府門真警察署に逮捕されてしまったのです。(フィクションです。)
※参考とした事件は こちらをクリック 

自分が何か損害を被った場合に、相手方に請求することのできる慰謝料や、示談金、治療費など、法律的に相手に請求しても問題のないお金や物であっても、相手方への請求の仕方を誤ると、今回の参考事件のように、恐喝行為となってしまい、最悪の場合は警察に逮捕されてしまいます。

恐喝罪

人から金品を恐喝すると恐喝罪となります。
恐喝とは、人から金品を脅し取ることで、脅す方法としては口で言って相手を脅す、いわゆる脅迫の場合もあれば、相手に暴力をふるう暴行等の場合もあります。
ただし注意しなければいけないのが、暴行をともなう場合、暴行の程度によっては強盗罪に問われる可能性があることです。
恐喝罪が成立するには「恐喝⇒畏怖⇒財産的処分行為(財物の交付)⇒財物の取得」といった一連の流れが必要となります。
恐喝罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。
罰金刑の規定がないのが特徴で、起訴されると必ず刑事裁判が開かれ、そこで刑事罰が言い渡されますが、そこで執行猶予を獲得しなければ刑務所に服役しなければなりません。

恐喝罪における「脅迫」とは

恐喝罪における「脅迫」とは、一般に人を畏怖させるに足りる「害悪の告知」です。
ここでいうところの「害悪の告知」とは、人の生命、身体、自由、名誉や財産に対して害を加える旨を告知することで、「殺すぞ」や「殴るぞ」「さらうぞ」といったものが代表的ですが、ここまでハッキリとしたものでなくても、「夜道に気を付けろよ」だったり「まだ幼いお子さんが事故にあわなければいいけどな」といった、相手に危険を感じるような内容でも脅迫となる場合があります。
また脅迫の対象は、相手方自身に限られず、相手方の家族や親族であっても対象となります。

慰謝料等の請求でも恐喝罪になる

冒頭で説明したように、法律的に相手に対して請求することのできるお金や物であっても、相手に対して請求したり、要求したりする際に発する言葉によっては恐喝行為となり、恐喝罪が成立する場合があります。
今回の参考事件においても、管理する空き家に不法侵入するといった不法行為を犯した中学生の親に対して慰謝料を請求するAさん行為は、法律的に問題はありませんが、その際に『もし払わないのであればネットの映像を晒すし、子供の名前や、ここの住所も晒す。』と、相手に害悪を告知し、慰謝料を要求しているので恐喝(未遂)罪となることは間違いないでしょう。

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