人身事故・死亡事故

具体例

ケース

Aさんは、大阪市生野区で酒を飲んだ後、同区の自宅まで車を運転して帰ることにしました。
その途中、Aさんは、車道を自転車で走行していたVさんに気づかず誤ってはねてしまいました。
Vさんは、病院に運ばれたものの間もなく死亡しました。
Aさんは飲酒運転の疑いもあったため大阪府警生野警察署の警察官に、現行犯逮捕されました。
その後、Aさんは勾留され、釈放されることなく起訴されてしまいました。
Aさんの妻は、少しでも減刑してほしいと思い、法律事務所に無料相談に来ました。
(このお話はフィクションです)

(問題となる条文)
【危険運転致死罪(自動車運転死傷行為処罰法3条)】
「アルコールの影響により走行中に正常な運転に支障が生じる恐れがある状態で」
「自動車を運転し」「アルコールの影響により正常な運転が困難な状態に陥り」
「人を死亡させた」場合、15年以下の懲役となります。
(必要に応じて文言を省略しています)

(解説)
平成26年5月20日から自動車による人身事故は、自動車運転死傷行為処罰法(略称)によって処罰されることになりました。
それまでは、自動車による人身事故についても刑法によって処罰されていました。
 
しかし、悪質な飲酒運転や無免許運転等による事故が後を絶たず、自動車事故に対する厳罰化を促進すべく新法が制定されました。
  
自動車運転死傷行為処罰法では、アルコールや薬物の影響下における運転など刑法ですでに処罰されていた行為を従来通り罰するための規定も置かれています。
しかし、それだけではなく飲酒運転の発覚を免脱する行為を処罰する規定を新設したり(逃げ得の防止)、無免許運転の場合に刑を加重する規定を新設したりするなど変更点があります。

科される刑罰は、長期20年の懲役刑や100万円以下の罰金など決して軽くありません。
また、無免許運転の場合には、懲役刑のみとなります。
  
自動車による人身事故の場合、死亡事故の場合や、被害者のケガの程度、後遺症が重大であるときなどは、初犯の場合にも実刑判決を受ける可能性はあります。
飲酒運転や薬物の影響、無免許運転の場合には、さらに厳格です。
また、事故現場から逃走した(いわゆる「ひき逃げ」)場合、より刑が重くなってしまいます。
 

人身事故における弁護活動

1 無実の主張

身に覚えのない人身事故の容疑をかけられてしまった場合、弁護士を通じて捜査機関や裁判所に真犯人の存在やアリバイを示す証拠を提出したり、危険運転致死傷罪などの成立を証明するに足りる証拠がないことなどを主張します。

また、人身事故を起こしてしまっても加害者に不注意(過失)がなければ、犯罪は成立しません。
そこで、客観的証拠に基づき運転状況や被害者の行動などを精査し、加害者が人身事故を予測することは困難であったことや十分に注意していても事故を回避することは困難であったことなどを主張していきます。
こうした主張が認められれば、無罪判決や不起訴処分につながります。
  

2 被害弁償と示談交渉

自動車事故などによる犯罪成立に争いがない場合、主な弁護活動は被害者・遺族の方に対する被害弁償や示談交渉になります。
こうした活動を通じて、被害者に対する償いの気持ちを伝えます。

示談が成立すると、被害者の方に生じた被害結果が大きい場合や犯行態様が悪質な場合を除いて、起訴猶予による不起訴処分や執行猶予判決を受けられる可能性があります。
  

3 情状弁護

自動車事故などについて有罪判決が下されることを免れないとしても、被害者の方などに対する被害弁償や示談成立の事実、加害者の不注意の程度が軽微であったことなど被告人に有利な事情を主張・立証して、減刑・執行猶予判決の獲得を目指します。
  

4 身柄解放活動

人身事故で逮捕・勾留されてしまった場合でも、証拠隠滅・逃亡の恐れがないことや養うべき家族がいることなど、加害者の酌むべき事情を警察・検察や裁判所に対して積極的に主張し早期の釈放・保釈を目指します。

 

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