盗撮・のぞき

具体例

ケース1

Aさんは、大阪府内のJR阪和線を走行していた電車内で女子高生のスカートの中を盗撮しました。
その様子を見ていた他の乗客がAさんを取り押さえ、次の駅で駅員に引き渡されました。

Aさんは、どのような罪に問われるでしょうか?

(問題となる条文)
【大阪府公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例6条2号、16条1項2号(いわゆる迷惑防止条例)】
「人を著しくしゅう恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で」「公共の場所又は公共の乗物における」「衣服等で覆われている人の身体又は下着を見、又は撮影」した場合、「6ヵ月以下の懲役又は50万円以下の罰金」になります。
(ただし、これは大阪府の条例の場合です。他の都道府県の場合、異なることがありますのでご注意ください)
 

ケース2

Aさんは、大阪市港区の自宅内の浴室で交際中のBさんと性行為している様子を、Bさんの承諾なく動画撮影していました。

Aさんの行為は、罪に問われるでしょうか?

(問題となる条文)
【軽犯罪法1条23号】
「正当な理由がなく」「人の住居、浴場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所を」「ひそかにのぞき見た」場合、「拘留(1日以上30日未満の身柄拘束)又は科料(1,000円以上1万円未満の金銭の支払い)」になります。
情状により、これらの刑が免除されたり、両方の刑が科せられたりすることがあります。

解説
ケース1及びケース2のいずれにおいてもAさんの盗撮行為が問題となります。

しかしながら、適用される法規定が異なる点に注意が必要です。
このような違いが生まれるのは、上記の規定がそれぞれ異なる場面での盗撮行為を処罰対象としているからです。

迷惑防止条例は、「公共の場所又は公共の乗物」における盗撮行為を処罰するのに対し、軽犯罪法は人の住居内など「人が通常衣服をつけないでいるような場所」における盗撮行為を処罰対象としています。
つまり、これらの法規定は盗撮場所の公共性を必要とするかしないかという点で違いがあるのです。

したがって、ケース1のような電車内での盗撮は、迷惑防止条例の適用を受けますし、ケース2のような自宅での盗撮は軽犯罪法の適用を受けるのです。
 
もっとも、ケース2については、もう少し解説が必要かと思います。
例えば、今回のケースではAさんの盗撮行為が問題となっています。
しかし、条文上は「のぞき見た」行為を罰するとされています。
そのため、軽犯罪法で盗撮行為まで罰することができるのかという疑問があると思うのです。

この点について、裁判所は盗撮行為も「のぞき見た」という行為に含まれると解しています。
したがって、盗撮行為も軽犯罪法で処罰しうると言えるでしょう。

次に「正当な理由がなく」というのはどうでしょうか。今回のケースでAさんとBさんは交際関係にあるわけですが、だからといって当然に正当な理由があるとは言えないと思われます。
何かしらBさんも承諾の上であったという事情がない限り、正当な理由はないというべきでしょう。
 
以上から考えると、ケース2の盗撮行為が軽犯罪法違反に当たるとは言い切れませんが、その可能性が高いと思われます。

ちなみに、今回のケースでは盗撮行為を取り上げましたが、仮にのぞき行為であっても同様に罰せられます。
 

盗撮・のぞき事件における弁護活動

1 無実の証明

盗撮・のぞき行為をしていないにもかかわらず盗撮・のぞき事件の容疑をかけられてしまう場合があります。

そのような場合は、すぐに弁護士にご相談ください。
弁護士による適切なアドバイスなどを受けられなかった結果、一度でも虚偽の自白をしてしまえば、実際には盗撮やのぞきをしていないのに無実の罪を負うことになります。

盗撮・のぞき事件での冤罪を防ぐためには、被害者やその他目撃者の供述の信用性を争い、捜査機関が十分な証拠なく立件しようとしていることを強く主張していくことが必要です。
また、決して虚偽の自白をしてしまわないように注意する必要があります。

そこで、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所-大阪支部では、逮捕後すぐに容疑をかけられた本人のもとに向かい、取調べにおける適切な対応をアドバイスすると同時に、独自の捜査により新たな目撃者やその他の客観的証拠を探し出し、依頼者の無実を証明します。
  

2 早期の示談成立

盗撮・のぞき行為をしてしまったことについて争いがない場合でも、被害者と交渉し早期に示談が成立することで、事件化を防ぐことや、不起訴処分によって前科がつかずに済む可能性があります。

示談交渉をする際、通常、被害者が加害者本人や加害者家族に直接会ってくれることはありません。
ですから、基本的に弁護士を通じて示談交渉を行うことになります。

また、仮に被害者の方が会ってくれたとしても、再び加害者と会うことによって恐怖や怒りを増幅させてしまうことが往々にしてあります。
それではかえって逆効果になってしまいますから、やはり示談交渉は弁護士に任せるのが良いでしょう。
  

3 早期の身柄解放

盗撮・のぞき事件で逮捕されてしまった場合、その身柄拘束期間が長ければ長いほど事件のことが周りに知れ渡ってしまい、事件前の生活を取り戻すことは難しくなります。

そこで、逮捕されてしまった場合は、勾留されることを阻止し長期にわたる身柄拘束を回避することが重要です。
そのためには、早期に弁護士に相談し適切な取調べ対応についてアドバイスを受けるとともに、早く身柄解放してもらえるように検察官や裁判官に交渉してもらうことが必要です。

また、身元引受人の存在や反省の意思・更生の意欲があることの主張も早期釈放には効果があります。

 

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