ストーカー

具体例

ケース

大阪府柏原市在住のAさんは、かつて交際していたVさんとの復縁を望んでいました。
そのため、AさんはVさんに対して3か月以上執拗なメールや電話を繰り返し行い、ついに八尾市の河内山本駅近くに住むVさんの自宅まで押しかけるようになりました。
Vさんは、Aさんが自宅まで来るようになり、怖くなったため、大阪府警八尾警察署に相談しました。
警察官による警告後も、Aさんはストーカー行為を止めませんでした。
そこで、Vさんは、大阪府警八尾警察署に被害届を提出し、警察は、Aさんを逮捕・勾留しました。
Aさんの両親は、ストーカー事件に詳しい弁護士に相談することにしました。
(フィクションです)

(問題となる条文)
【ストーカー規制法18条違反】
「ストーカー行為をした」場合、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」となります。
ちなみに、公安委員会による「禁止命令等に違反してストーカー行為をした場合」は、「1年以下の懲役又は200万円以下の罰金」となります(同法19条1項)。

(解説)
ストーカー行為とは、同一の者に対して、恋愛感情や恋愛感情が満たされなかった怨恨感情を満たす目的で、つきまとう・電話をかける・メールをするなどの行為を繰り返すことです。

近年の改正で、拒まれたのにも関わらず連続して、SNSやブログにメッセージやコメントを行うこと等も「つきまとい等」に含まれることになりました。
ストーカー規制法は、加害者が恋愛感情を抱く相手のみならず、その配偶者や直系・同居の親族などに対しての行為も禁止します。
   
ストーカー行為とは、つきまとい等の行為を反復して行うことです(ストーカー規制法2条3項)。
そのため、つきまとい行為を一度行っただけでは、ストーカー行為であるとはいえません。
この場合、軽犯罪法による処罰対象になります。
  
同法では、ストーカー行為を抑止するために罰金や懲役といった刑罰を科すだけでなく、警告・禁止命令を行うことができます。

警告は、警察本部長などが、ストーカー行為を受けている人からの「警告の申出」を受けて、加害者に対して行います。
また、ストーカー行為を受けている人は、「警告の申出」ではなく、「禁止命令等の申出」を公安委員会に対してすることもできます。申出を受けた公安委員会は、聴聞を経て禁止命令等を発することができます(緊急性が認められる場合には、先に禁止命令等を出した上で、後から加害者に意見聴取をするということも認められています)。
この禁止命令に反してストーカー行為を行った場合、刑が加重されます(問題となる条文の部分参照)。

   
ストーカー被害者の支援などについて、警察は、ストーカー被害者のためにストーカー被害を防止するための教示や防犯ブザーの貸出しをおこなっています。
また、被害者が警察に相談してストーカーに警告した結果、9割程度の人がストーカー行為をやめるそうです(警視庁発表)。
ストーカー被害でお悩みの方は、早く警察に相談することを検討した方がよいでしょう。
 

ストーカー事件における弁護活動

1 示談交渉

ストーカー行為は、禁止命令違反を除いて、告訴がないと起訴できない「親告罪」とされてきましたが、近年の改正により、非親告罪化、つまり、告訴が無くても起訴できるようになりました。

もっとも、被害者が告訴の取消や被害届の取り下げをしてくれれば、不起訴を獲得できる可能性が飛躍的に高まります。
また、仮に告訴取消や被害届取下げがなされなかったとしても、被害者との示談が成立していれば、減刑や執行猶予付き判決の獲得につながります。

ただし、ストーカー事件では、被害者が恐怖や憎悪の気持ち、強い処罰感情を抱いていることが多くあります。
そのため、示談交渉が難航することも多いです。
示談を成立させ円満な解決を図るためには、信頼できる弁護士にできるだけ早く相談することが重要です。

 

2 身柄解放活動

ストーカー事件で逮捕・勾留されてしまった場合でも、容疑者・被告人が一日でも早く留置場を出られるように尽力します。

ストーカー事件における釈放・保釈のためには、身柄解放後被害者に再び危険が及ぶことはないことを警察官や検察官、裁判官にわかってもらわなければいけません。
そのために、再犯の可能性がない環境づくりや具体的な対策をとっていくことが重要です。
例えば、家族が責任をもって監視する・カウンセリング治療を受ける・被害者の連絡先を消去するなどの方法が挙げられます。
 

3 情状弁護

ストーカー事件の事実に争いがなく有罪を免れない場合でも、被害者との示談が成立している・再犯可能性が低いなど、被告人に有利な事情を的確に指摘し少しでも量刑が軽くなるようにします。

執行猶予判決を獲得することが出来れば、刑の執行を免れます。
 

ストーカー事件の被害者のための活動

弁護士はストーカー事件の被害者から相談を受けることもあります。
例えば、ストーカー犯が繰り返し無言電話をかけてくる場合、弁護士を通じて電話会社にその電話の発信者の照会を行います。そして、発信者を特定した後、その者に対して、ストーカー行為をやめるよう警告します。
それでもやめない場合には、警察に対する警告の申出や公安委員会に対する禁止命令等の申出をするサポートをしたり、被害届の提出や告訴状の作成提出を一緒に行うなどの活動をすることが考えられます。
 
ストーカー加害者のみならずストーカー被害者も弁護士に相談すれば、何かしら解決の糸口が見つかる可能性があります。

 

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